リファラル採用の促進に「報奨金」は有効か

自社の従業員に友人を紹介してもらうことで採用に繋げる「リファラル採用」。
※リファラル採用についての記事はコチラ

自社の従業員にリクルーターとして積極的に協力してもらうために、報奨金などの金銭インセンティブを設けることは有効かどうかについてです。
結論からお伝えすると、あまり有効ではなく、場合によっては違法行為とされてしまう可能性もあるようです。

社員紹介の「報奨金」は違法?

こちらも結論からお伝えしてしまうと、明確に違法かどうかはわかりませんが、グレーゾーンと言えそうです。

労働基準法6条には、このように書かれています。

何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

まず、「法律に基いて許される場合」は「厚生労働大臣の許可を得て有料職業紹介業を行っている場合」が該当します。
そして、「他人の就業に介入して利益を得ること」は「自社に友人を紹介して報奨金を得ること」と同義と思われます。
問題なのは、「業として」です。
これは、あまりに頻度が高ければ「業として」行っていると判断されてしまう可能性がありそうです。
つまり、労働基準法6条を噛み砕くと、以下を意味していると考えられます。

単発で1人や2人を紹介して報奨金をもらう分には問題ありませんが、
継続して何人も友人を紹介して報奨金を得るんだったら、
ちゃんと厚生労働大臣から有料職業紹介業の許可を得なきゃダメですよ。

ただ、「どのくらいの期間・頻度で何人までならOKか/何人からNGか」はわかりません。
「報奨金」の金額があまりに高い場合も問題視されるリスクが高まりますが、これも何円からNGかはわかりません。
ともに規定されていないようです。

つまり、社員紹介の「報奨金」が違法になるかどうかの線引きは曖昧のようなのですが、会社の制度として継続的に取り組む場合は、報奨金を設定することは避けたほうが無難と言えそうです。

そもそも「報奨金」は有効?

報酬には「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」があります。

「報奨金」としてお金を支払うことは当然「金銭的報酬」にあたりますが、これは少なくとも万能ではないようです。
心理学の分野における様々な研究において、「金銭的報酬」にはいくつかのデメリットがあるという結果が出ています。

・金銭的報酬はモラルの低下を招きやすい
・金銭的報酬は内発的行動を外発的行動に変えてしまう(善意からの行動だったものが、押し付けられた義務になってしまう)
・一定額まではモチベーションが向上することもあるが、ある金額を境に無報酬の状態よりモチベーションが下がる

さらにリファラル採用においては、友達を会社に紹介してお金を得ることで、友達への罪悪感を感じる人もいるでしょう。

「金銭的報酬」は普段の業務から完全歩合制の職種・職場にはフィットするかもしれませんが、むしろモチベーションやパフォーマンスを下げてしまいかねないということは念頭に置く必要があります。

特にリファラル採用では、「金銭的報酬」よりも「非金銭的報酬」を活用することのほうが、良い結果に繋がりやすいと考えられます。

「非金銭的報酬」には、お金以外のモノや体験、休暇・権限などの付与、表彰などの承認インセンティブなどが挙げられます。

特に有効なのが、「体験」や「承認インセンティブ」です。

例えば、社長との食事会やチーム単位での旅行やイベントといった普段できない「体験」、表彰式での表彰状の授与や、リファラル優秀者を称える小冊子の発行といった「承認インセンティブ」など、「リファラルに積極的に協力してくれた人は、全社を挙げて褒めちぎる」というスタンスが大切です。

お金は、通常の業務で適正に評価し支払うこととして、リファラルにおいては「褒める」ことを重視されてはいかがでしょうか。

株式会社ハタラメルのリファラル採用支援ツール「tomonowa」は、リファラル採用を成功に導きます。
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